建築作業中に転落してけがをした兵庫県加西市の「一人親方」の男性大工(57)が、作業を依頼した工務店が安全配慮を怠ったとして、約4,400万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は7月30日、約650万円の支払いを命じた。
1審神戸地裁社支部は、一人親方として独立していることなどから雇用契約を認めず、工務店の注意義務も否定して請求を棄却していた。
高裁の若林諒裁判長は「両者間には実質的な使用従属関係があり、工務店は使用者と同様の安全配慮義務を負っていた」と指摘。しかし、男性にも過失があったとして賠償額を損害の2割にとどめた。
判決によると、男性は工務店の依頼を受け、2003年4月に同県小野市の住宅建築現場の2階で床に合板を設置する作業中、バランスを崩し転落。頸椎脱臼骨折などで後遺症が生じた。
阪急トラベルサポート(大阪市)に登録する派遣添乗員の女性が、会社の指揮・監督が及ばず所定労働時間働いたとみなす「事業場外みなし労働制」を適用され、残業代を支給されなかったのは不当と申し立てた労働審判で東京地裁は18日、「みなし労働は適用できず、残業代を支払うべきだ」との審判を下した。
申立ていたのは、東京都の大島由紀さん(44)。大島さんを支援する全国一般東京東部労組によると、地裁は「添乗員は日程表や日報などで労働時間を指示されており、労働時間算定は可能。みなし労働制は適用できない」と判断した。
審判は、昨年12月と今年1月に添乗した海外ツアー計19日間、約85時間分として請求した残業代約20万円のうち、約14万円を認めた。ツアー中の自由行動は労働時間として認めず、機内時間のうち離陸後と着陸前各1時間は労働時間とした。
阪急トラベルサポートは「審判の内容には承服し難く、異議を申し立てたい」としている
今回の白書の概要は、「働く人の意識と雇用管理の動向」を分析テーマとして発表された。
厚労省の調査では、「不本意な就業者」は、パートとして働く人が06年に23・8%、派遣や契約社員などが同44・2%で、5年前からそれぞれ2・7ポイント、6・2ポイント増えた。労働政策研究・研修機構の06年の調査でも、非正社員のうち正社員になれなかった人で仕事に満足している人の割合は30・2%で、正社員の33・0%、非正社員の40・6%と比べ、満足度が低かった。
また、白書では、企業が年功型賃金制度に代わって導入してきた業績・成果主義的賃金制度について、「厳しい経営環境の下で人件費削減的な目的も少なくなかった」と批判した。
同機構の調査で正規従業員の仕事への意欲が低くなった理由(複数回答)で、「賃金が低い」が最多のほぼ半数、「評価の納得性が確保されていない」が3分の1に上った点に注目。〈1〉40、50歳代の高学歴ホワイトカラーで賃金格差が拡大〈2〉特に50歳代の男性労働者で意欲が顕著に低下−−を問題点に挙げ、同賃金制度は「必ずしも成功していない」と指摘した。
制度を有効に機能させるには、まず評価基準の明確化などの運用改善、長期的には労使協力による望ましい賃金制度を構築する取り組みの必要性を強調した。
労働経済白書(2008年版)
当職において、労働審判制度が施行されてから、直接かつ積極的に関与し、申立から解決までに至った労働審判の取扱件数は、現在進行中のを含めると12件となります。
その他示談で終了した案件もあり、その内容も解雇や不払い残業、ハラスメント等多岐に渡ります。
また、労災に関する事案も一部HPで紹介してあるとおりです。
相談については、最近においても従前から、全国各地から寄せられており、十分に対応しきれていないことには反省しておりますが、毎日あります。
これからも、一人でも多く、何らかの形で救済され、事件の解決の糸口になればと考えて、この労使紛争の解決に積極的に取り組んでまいりますので、よろしくお願いします。
三重 英則
上司から執拗に叱責されたことが原因で自殺したとして労災認定された道路建設会社「前田道路」(本社・東京)の営業所長(当時43歳)の妻らが、同社に慰謝料など1億4500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が7月1日、松山地裁であった。
高橋正裁判長は計約3100万円を支払うよう同社に命じた。原告側弁護団によると、パワーハラスメントによる自殺を巡る訴訟で損害賠償を認めた判決は異例とした。
訴状などによると、男性は2003年4月に愛媛県内の同社営業所に赴任。04年7月ごろから四国支店(高松市)の上司から「所長としての能力がない」などと繰り返し叱責され、同年9月に自殺した。
同県新居浜市の新居浜労働基準監督署は05年10月、心理的な圧迫が自殺の原因などとして労災認定した。
